📘 技術交渉シリーズ|第1回
技術が正しいのに交渉に負ける、その理由
データも揃っている、説明も論理的だ。それなのになぜ「検討します」で終わるのか。
技術者として働いていると、少し不思議な経験をすることがあります。明らかにこちらの技術の方が合理的で、データも揃っている。解析も行い、試験も行い、説明も論理的に組み立てた。
それなのに、会議が終わるとこうなります。「検討します」「社内で持ち帰ります」「今回は見送ります」
それなのに、会議が終わるとこうなります。「検討します」「社内で持ち帰ります」「今回は見送ります」
😤 「説明が足りなかったのか」という誤解
技術者としては、どうしても納得がいきません。「説明が足りなかったのだろうか」「英語が下手だったのだろうか」「もっと資料を増やすべきだったのか」
しかし、長く現場にいると、あることに気づきます。問題は、技術の正しさではないことが多い。むしろ、技術の説明そのものは十分に行われていることが多いのです。
💡 技術者の「説明」と相手の「意思決定」は別のプロセス
技術者は、ついこう考えます。
正しいデータを示す
→
理解してもらう
→
採用される
しかし実際のビジネスでは、こうは進みません。多くの場合、コミュニケーションは次のような段階を経ます。
情報交換
→
関係構築
→
行動変容
「理解」と「行動」は、別のものです。
会議の中で「なるほど、よく分かりました。」は
「採用します」という意味ではありません。
会議の中で「なるほど、よく分かりました。」は
「採用します」という意味ではありません。
🌍 技術部門に足りない視点
営業部門や購買部門は、「相手の行動を変えるプロセス」を比較的よく理解しています。しかし技術部門では、あまり体系的に学ぶ機会がありません。
技術は正しい。説明も正しい。それでも交渉には負ける。
その理由は、「相手の行動を変えるプロセス」について考える機会が少ないからです。
その理由は、「相手の行動を変えるプロセス」について考える機会が少ないからです。
このシリーズでは、技術者がグローバルな環境で直面するこうしたコミュニケーションの問題について、少しずつ整理していきます。
📌 この記事のまとめ
- 技術交渉に負ける理由は、技術の正しさではなく「相手の行動変容プロセス」にある
- 「理解してもらう」ことと「行動してもらう」ことは別のプロセス
- ビジネスでは「情報交換→関係構築→行動変容」という三段階を経る
- 技術部門はこのプロセスを体系的に学ぶ機会が少ない
コミュニケーションとは「情報伝達」ではない

Comments are closed