OVERVIEW全体の流れ
PROxは「入力 → 設計図 → 解析 → 結果 → 出力」の一本道です。まずこの6ステップの流れをつかめば、あとは画面に沿って進められます。
PROxは、入力した状況をもとに交渉戦略を構築し、この案件に即した具体的で実践的なアドバイスを示します。さらに——サッカーで監督の指示を選手が現場で活かすように——結果を見たあなたがゴールと説得要素を組み直せば、自分の交渉に合った最適解へと磨き上げられます。
※この先の各章で、実際の画面に沿って手順を一つずつ説明します。
第 1 章PROxの全体像
細かい操作の前に、PROxが「何をする道具か」をつかみましょう。ここが分かると、各画面の意味がすっと入ります。
1PROxは「交渉の設計図」を組む道具
PROxは、あなたの交渉状況を入力すると、AIが勝てる戦略のレポートを作る支援ツールです。ふつうのAIと違うのは、AIが一方的に答えを出すのではなく、あなたがゴールと説得要素という「交渉の核」を組み立てたうえで解析する点です。この核の組み立てを、PROxでは「交渉の設計図」と呼びます。
2レポートは「叩き台」、決めるのはあなた
出てくるレポートは、○✕や点数の評価ではありません。社内で交渉方針を話し合うための、固有名詞・日付・金額の入った具体的な「叩き台」です。実際の現場をいちばん知っているのはあなたです。結果を見て「ここは違う」と感じたら、ゴールや説得要素を組み直して再解析し、自分の最適解に近づけていきます(→第6章)。
3交渉は「第N回」で積み重なる
ひとつの案件は、第1回・第2回…と回を重ねて進みます。前回までの戦略の要約は自動で引き継がれ、次の解析の精度を高めます。1回ごとに使い捨てるのではなく、交渉の進展に合わせて育てていくイメージです。
第 2 章案件を選ぶ・始める
PROxを開くと、まず案件の選択画面が出ます。新しい交渉を始めるか、過去の案件の続きを開くかを選びます。
1新規案件で始める
上部の入力欄に案件名(例:「北西自動車工業 — MCS-EV300」)を入れて 新規案件で始める を押すと、まっさらな入力画面が開きます。これが、この案件の第1回になります。
2最近の案件から続ける
画面下の「最近の案件(過去60日)」に、これまでの案件が1案件=1行で並びます。相手会社名・製品・最終更新日・右側に「第1〜N回」が表示されます。行をクリックすると、その案件の続き(第N+1回)として開きます。60日より前の案件は「60日より前の案件を表示」から呼び出せます。

3上部バーの見方
作業中は画面上部に、現在の案件名と第N回バッジが表示されます。右側の 案件を切替 で別案件へ、保存 で入力内容を保存できます。
「最近の案件」の続きを開くと、入力欄は空の状態で開きます(前回の戦略要約だけが内部で引き継がれます)。今回の交渉の最新情報を、あらためて入力してください。
第 3 章情報を入力する
交渉の状況を各カードに入力します。必須は2つだけ。あとは任意ですが、書くほど解析の精度が上がります。確信がなくても、仮説で構いません。
1必須はこの2つだけ
解析に最低限必要なのは 必須 の付いた 相手会社名 と 交渉ゴール の2つです。他の欄は任意で、埋めるほど分析が具体的になります。
2各入力カードの意味
| カード | 書くこと |
|---|---|
| 自社情報 | 自社名・業界・取扱製品・自社担当者名(あなたの名前。レポートに作成者として表示されます) |
| 相手企業情報 | 相手の事業概要・優先課題や経営方針・技術スタンス |
| 相手が明示した 合意・上程条件 | 相手が会議で明言した条件だけ。推測は入れません |
| 相手組織 (意思決定者) | 部門・役職・氏名・役割・関与度。意思決定スタイル(合議制/トップダウン)、障害になりそうな人物・部門 |
| 交渉状態 | フェーズ(初期接触〜合意直前〜停滞)・相手の態度・相手の状況(消極的な理由や温度感など自由記載) |
| 自社状況 | 譲れない条件・調整できる範囲・社内サポーター・社内障害 |
| あなたの仮説 | 相手の懸念・本当の関心・最も不確実な情報・その他。確信がなくてよい欄です |
| スコアリング | 相手の評価軸6つ・自社の強み6つを1〜5で(任意)。触らない軸は中立として扱われます |
3議事録から自動入力する
左側の「議事録読み込み」に、会議メモを PDF でアップロードするか、テキストを貼り付けて 読み込んで各項目に自動入力 を押すと、相手企業情報や意思決定者などの欄が自動で埋まります。読み込んだあとに手直しできます。

すべてを完璧に埋める必要はありません。分かる範囲+仮説で十分です。「あなたの仮説」は、AIが相手の本音を読み解くための重要な手がかりになります。
第 4 章交渉の設計図を組む
ここがPROxの心臓部です。「準備こそ最強の武器」。ゴールから事実まで、①〜⑤の順に組み立てると、AIがこの設計図を最大限に尊重して戦略を具体化します。
設計図づくりの5ステップ
この交渉で本音として目指す到達点を1行で書きます(例:今四半期内に受注確定/長期関係の構築)。設計のすべての起点です。
🔍 ゴールを点検 を押すと、AIがゴールと現状の整合を確認し、必要なら言い換え候補を出します。採用するかはあなた次第です。
相手を動かす「武器」を最大4つ選びます。✦ AIに提案させる で候補を出す/一覧から選ぶ/自分で追加する、のいずれでもOK。
各説得要素を裏づける事実(試験データ・実績・議事録の発言など)を添えます。任意ですが、あると説得力が増します。
設計図プレビューで全体像を確認し、▶ この設計図で解析する を押します。AIが2分ほどで戦略レポートを作成します。
説得要素は「あなたが決める」。AIの提案はあくまで候補です。採用・除外・追加はあなたが決めます。最大4つに絞ることで、交渉の力点がはっきりします。
設計図は、解析の質を決める最大の要因です。ここを丁寧に組むほど、レポートは現場で使える具体的なものになります。逆に、結果が物足りないときは、設計図を組み直すのが近道です(→第6章)。
第 5 章レポートの読み方
解析が終わると、レポートが画面右からスライドして開きます。中身は4つのタブに分かれています。上から順に読むと、全体 → 戦略の中身 → 現場で使う道具 → 根拠、と進めます。
| タブ | 主な内容 |
|---|---|
| 総合 | 交渉難易度(5段階・参考)と要因分解/エグゼクティブサマリー(社内報告用)/ひと目で把握(指標)/勝ち筋(3行)/スケジュール |
| 戦略(本文) | 状況診断・今すぐやること・ロジックツリー+想定トーク・社内調整・最大のリスク・関係構築の注意・創造的な解決策の7セクション。このレポートの主役です |
| 実行支援 | 想定される反論と切り返し/キーパーソン分析/推奨アクション(担当・期限つき)。会議でそのまま使えます |
| 参考指標 | 評価軸スコア/リスク・整合チェック/難易度の算出根拠/根拠ラベルの説明 |

1難易度は「参考指標」
総合タブの交渉難易度(LEVEL 1〜5)は、現状を診断した参考の目安です。予測ではありません。あなたの体感と違えば、メーターで自由に調整できます(本文のアドバイスには影響しません)。
2提案の「出どころ」を見分ける
各提案には、根拠の区分が示されます。鵜呑みにせず、この区分を見ながら判断してください。
| 議事録根拠あり | 会議メモから直接読み取れた事実に基づく提案 |
| 推論 | 入力情報からAIが導いた仮説。実行前に妥当性をご判断ください |
| 要事前確認 | 前提が未確定で、確認しないと進められない事項 |
第 6 章戦略を組み直す
レポートを見て「少し違う」「もっとこうしたい」と感じたら、ゴールと説得要素を組み直して再解析できます。これがPROxの新しい軸——あなた自身が最適解を導く仕組みです。
組み直しの流れ
レポート下部の ⟲ もう一度組み直す(記録は残りません) を押します。組み直しの間、記録は一切残りません。
自由記入欄(1欄・最大2000字)に「何が違ったか・どう変えたいか・気づいたこと」を書きます。方向性の修正も、事実の気づき(人や状況の認識違い)も、まとめて書いてOK。
「このまま」か「修正する」かを選びます。ゴールはあなたの判断を尊重し、AIは良し悪しを評価しません。
✦ 組み直し案を作る で、AIが説得要素を選び直して提案します(新規/維持/外す+理由つき)。
提案をクリックで選択します(最大4つ)。「外す」とされた要素も残せますし、自分の要素を追加もできます。チェックした要素だけが設計図に反映されます。
✦ 設計図に反映する → 設計図で微調整 → ▶ この設計図で再解析する。組み直し版のレポートが表示されます。

1ゴールを変えても、フィードバックは効く
ゴールを「このまま」にしても、書いたフィードバックは組み直しと再解析の両方に反映されます。ゴール(到達点)はそのままに、そこへ向かう説得の道筋を変えられる、ということです。
2組み直しは5回まで
同じ回での組み直しは5回までです。それ以上見直したいときは、入力を整えて新規に解析するのがおすすめです(細かく回しすぎると、かえって精度が落ちます)。
フィードバックに書いた事実の修正(例:本当のブロッカーは別の人物だった)は、その回の解析には反映されますが、入力欄には自動では反映されません。次回以降にも引き継ぐには、入力画面に戻って該当欄(相手組織など)をご自身で修正してください。
第 7 章レポートを出力・保存する
納得できる戦略になったら、PDFで出力します。この出力が、記録の確定点です。
1PDF出力=記録の確定点
レポート下部の ✔ この戦略でいく — レポートをPDF出力 を押すと、印刷ダイアログが開き、「PDFとして保存」でPDF化できます。同時に、この解析の戦略要約が記録され、次回解析に引き継がれて精度を高めます。
2記録のルール
- 記録が残るのは、PDF出力したときだけです。
- 組み直し・再解析の途中では記録されません。
- 同じ回でレポートを再出力した場合、前の記録は上書きされます(1つの回=1つの記録)。
議事録とレポート本体は保存されません。保存されるのは戦略の要約だけで、これが次回の解析に引き継がれます。詳しい議論の中身が蓄積され続ける心配はありません。

第 8 章うまく使うコツ
最後に、PROxをより活かすための考え方をまとめます。
1入力は完璧でなくてよい
分かる範囲+仮説で十分です。「あなたの仮説」欄は、確信がなくても書くほど、相手の本音を読み解く手がかりになります。
2難易度は気にしすぎない
難易度はあくまで現状診断の参考です。レベルが高くても、設計図の組み方しだいで勝ち筋は見えます。
3組み直しは「方向を変える」道具
結果が物足りないと感じたら、すぐ新規にやり直すのではなく、まず組み直しで力点を変えてみてください。同じ状況でも、説得の道筋を変えるだけで戦略は大きく変わります。
4第N回を積み重ねる
交渉が進んだら、その都度PROxを回して第N回として記録しましょう。前回の戦略を踏まえた、地に足のついた提案になっていきます。
付録 Aよくある質問
Q. 解析に時間がかかります。
A. 解析は2分ほどかかります。画面を閉じずにお待ちください。
Q. 結果が想定と違います。
A. 第6章の「組み直し」で、気づいた点を書いてゴールや説得要素を直し、再解析してください。
Q. 組み直しと新規解析、どちらを使う?
A. 力点や道筋を変えたいなら組み直し。状況が大きく変わった・5回組み直した場合は新規解析がおすすめです。
Q. 記録は消せますか?
A. 同じ回での再出力は前の記録を上書きします。議事録やレポート本体は元から保存されません。
付録 B用語集
| 交渉ゴール | この交渉で本音として目指す到達点。設計図の起点。 |
| 説得要素 | 相手を動かすための「武器」。最大4つまで選ぶ。 |
| 交渉の設計図 (ロジックツリー) | 「ゴール → 説得要素 → 事実」の組み立て。解析の核。 |
| 交渉難易度 | 現状を5段階で診断した参考指標。体感で調整可。 |
| 根拠ラベル | 提案の出どころ(議事録根拠あり/推論/要事前確認)。 |
| 第N回 | 1つの案件の中での交渉の回数。回を重ねて積み上がる。 |
| 組み直し | レポートを見たあと、ゴールと説得要素を直して再解析すること。 |
| 記録(確定点) | PDF出力のタイミングで残る戦略要約。次回解析に引き継がれる。 |
付録 C困ったときは
- うまく動かないときは、ページを再読み込みしてからお試しください。
- 解析がエラーになったら、少し待ってもう一度実行してください。
- PDFが開かないときは、ブラウザのポップアップ許可をご確認ください。
- 解決しない場合は、SPEDiサポート窓口までお問い合わせください。(連絡先は後日記載)
SPEDi 交渉戦略PROx ユーザーマニュアル v0.1/本書の画面・文言は実際の製品に合わせて随時更新します。